午前中は1球船舶の試験。なんだか試験と名のつくものを受けるのは久しぶりで、新鮮だ。
まずは身体検査。学科よりも視力検査のほうを心配して、朝ご飯のヨーグルトにブルーベリージャムをたっぷり入れて食べたが、船舶免許は「眼鏡使用」と記載されることはないらしい。と眼鏡をつけて確実に合格。
学科試験も1,2問迷ったものがあったが、多分大丈夫だっただろう。受験者は、おじさんが多かったな。
午後は池袋、サンシャインへ。アイランダーという、日本の離島の紹介イベントをやっている。伊豆、小笠原や西南諸島だけでなく、瀬戸内海や五島列島、宮城の島の案内もあり、次の計画を練るのに良い。
しばらくうろうろしていると、何人か知り合いにあったので同行。酒の試飲するにしても特産品見るにしても、一人で黙々と見るよりも女性の後ろついていったほうが便利だ。
東京の人を相手に島の魅力を伝えるとなると、「美しい海、満天の星空、ゆったりと流れる時間と暖かい人情」のようになる。確かにそうなんだろうが、今日参加しているのはすべて島、どの島も同じことを主張し、差別化できていない気もする。それが一番の魅力であることは確かなので、簡単に差別化するのも難しいか。とはいえ、僕の知っている限りではそれぞれの島の雰囲気ってだいぶ違う。同じ市町村に属し、ほんの数kmにある新島と式根島だって全然ちがうくらいだ。
ではどう違うかというと、やっぱり簡単には表現しにくいのだろう。結局は行ってみるしかないのだろうな。
各ブースにいる人はそれぞれの島民らしく、のんびりしていたり一生懸命自分のところをアピールしていたり。歩いていると土産やパンフレットをくれる。存在を知り雰囲気が分かり、交通機関の時間が分かれば計画をたててみるかという気になる。
最後に、アンケートに答えてくじびきをしたら焼酎が当たった。これで我が家の酒陣容は、伏竜鳳雛を加えた劉玄徳軍の如く強化された。酒と情報が手に入り大満足。
日の短いこの時期は、18時に呑み始めても何の違和感もない。こころゆくまで呑んでも、それほど遅い時間にならないのは嬉しい。焼酎をボトルで頼んだためか、安くあがったのも嬉しい。
食料はまだ豊富だが、急にうなぎが食べたくなったので帰りにスーパーで買った。
焼酎は昨日試飲した中で一番気にいったやつ。種子島の「夢尽蔵 安納」。うまし。
船舶試験は、合格したみたいだ。おめでとう。
イナダでうまくいった料理法は、鶏肉にも展開可能か、という実験。
味噌を塗りたくっておいた鶏肉を魚焼き機で焼く。
まぁまぁ。ちょっと薄味だったので塩コショウをふった。
うな丼は二度やってくる。
2きれ入って680円だったので、数日後にもう一度似たようなメニューになるのが歴史的必然である。
豆腐には大根おろし、しょうが、レモン汁、醤油、かつおぶし。
午後、ビッグサイトにてロボット展見学。
面白かった。未来を感じさせる何かがある。
未来の家電、大画面テレビや多チャンネルオーディオ、ビデオカメラ見るよりもずっと夢がある。10年後の日本の大きな輸出産業になっているというのも、眉唾な話ではないかもしれない。
展示品は、3つに大別できる。アシモやアイボの延長上にあるような、パッと見すごい、面白いが用途は未定な研究段階のものもの。現役バリバリで工場で働く、アーム型ロボット。それらに共通する、軸受なんかの構成要素。
少数だが一般の人もいる。万博行くくらいならこういうところ行ったほうが開発者の声も聞けるし、ずっと面白いと思うのだが、万博行くのはそういうことではないんだろう。
ロボットを開発していくと、人間自体にも興味が出てくるというか、人間とロボットの差異が浮き出てきて面白い。ロボットは普通の人間にはまねできないことをいとも簡単にやってみせる。産業用ロボットが持っている性能はその分かりやすい例で、人間には運べない重量物を高速、高精度な動作を不眠不休で運搬、組み立てをする。
反面、普通の人間ならば当たり前と思う以前にこなす動作をさせるのが、すごく難しかったりする。手をさし出されたらその手をつかみ、相手の手を握りつぶすことなく適度な握力で握り返すなんていうことは、ロボットには大変難しい動作だ。(手の位置が分からないのでカメラで位置を計算し、自分の立つ位置が適切でなければ歩かなくては行けないし、それぞれ大きさの違う手を握らなくてはいけない。握力を測定しながら、相手の手を握りつぶさないようにしなければならない。人間、他の生物は機械から見ればものすごく高度なことを、なんとなく、あたりまえにやっている。)
最近はだいぶ技術や研究がすすんできて、二足歩行はあたりまえにできるようになってきたし、右手を前にあげても反動で倒れないでバランスを取れるようになってきたし、空き缶もなんとか拾えるようになってきた。
そんなあたりまえのことをやるために、明確な用途もないのに高い開発費と、何人ものエンジニアを集めている。
こういう数式や効率がすべてを決めるような分野に対しても、文化が与える影響の大きさを実感する。日本のロボット産業は他の国に対して格段に進んでいるらしい。
アトムみたいなロボットを作っているんです、鉄人28号を目指しています、ドムのような駆動機構です。こう説明するだけで、専門家と一般の人が簡単に同じイメージを共有でき、色々なアイデアを産み出す土壌とすることができる。さぁ何か新しいものを作ろうという段階で、皆の目標を即座に一つにすることができる。目標が定まり原理的に可能であれば、大概のものは実現できる。
今日の会場でも、AKIRAに出てきたあれだとか、ハロみたいに動くのかとか、うめずかずおの漫画に出てきそうだとかいうものがあった。これは今日はなかったが、Zガンダムのコックピットみたいなのも見たことがある。
説明しやすいものは、お金も集めやすいのだろう。今回展示されていたロボットの多くはNEDOという国の組織?が金のでどころになっているものがほとんどだった。
企業や研究所が資金援助をしてもらうときには、何かプレゼン等をやっているわけで、そのときに研究の目的、大義名分を説明しているはずだ。ただ面白いからやりますでお金が出るほどには我々の文化は成熟していない。その大義名分の最近のトレンドを見ると、老人介護、セキュリティ、テロ対策というところだ。そこから想像できる未来は明るいといえるのだろうか。
ロボット自体人間の命の値段がとても高額なものという前提でないと経済的に成り立たなそうだが、それは命の値段がとても高額な人間と、とても安価な人間とに2別される世の中を暗示している、気がする。
世の中は老人であふれ、少数の若者はアンドロイド相手にひきこもり、それができない人の中で元気なものは過激化してロボットに護衛された金持ち相手にテロ行為を働く。
どこかの荒野では取り残された地雷を撤去するロボット、それをとりまくボランティアや山師。
ま、世界戦争に明け暮れた20世紀よりはだいぶ良いか。
ビッグサイトから船、電車、自転車と乗り継いで、自由が丘へ向かった。