山でのお約束

登山なんて危険なんじゃないの?という声があります。 確かに東京近郊のファミリーハイクの対象となるような山でも遭難者が出ていることは事実です。 だがそれは車道のようなものかと思います。酔っ払って車道で寝そべっていれば、まぁ死んでしまいますね。それは車道が危険というよりも、ルールを守らない酔っ払いが危険だと判断されるでしょう。 山も似たようなものかと思います。守るべきお約束をきちんと守れば危険というほどでもないでしょう。そのお約束とは

事前によく調べておく。
余裕を持って行動する

の2点に集約できるでしょう。

何を調べるのか

コースはまぁ地図を買っておきなさい。時間やきつさなどが判断できます。 交通機関は地図を買えばある程度書いてあります。時間も調べておきましょう。きちんと調べておかないと、基本的に本数が少ないので登山口まで行くことも出来なくなるかもしれません。バスの時刻表などはある程度山小屋紹介のところにリンクを貼っておきましたので参考にして下さい。

星を見るので気にしない人はいないと思いますが、晴れるときに行きましょう。 また、冬ならば雪の状況を気にしましょう。東京都の山であれ、一度積もるとそう簡単に溶けません。小屋に問い合わせておくと良いでしょう。

余裕を持って行動するには

余裕といっても具体的には何のことでしょうか。

時間的余裕

大半はこれに尽きます。あせると碌なことはありません。
時間的余裕を持つにはコース状況を調べておくことが不可欠です。沈む夕日と競争しなくても済むように、事前によく調べておきましょう。

肉体的余裕

徹夜明けで山に登るなとか、疲れたら休めとか、そういうことです。時間的に余裕があれば解決できます。

金銭的余裕

山ではお金を使う場所は少ないですが、まぁ一応多めにもって行くと安心です。落しても悔しくない程度に。

食料・燃料

山小屋に泊まる時はそれほど気にしなくても平気かもしれませんが、非常食の一食分くらいはもって行くと良いでしょう。 テントや避難小屋を使う時は、燃料や食料がなくなると切ないですよ、ということです。

技術的余裕

道具を持たずに雪山に入山するとか、素人だけでロッククライミングに挑戦するとか言うのは無謀だということです。登山地図に一般コースと書いてあればとりあえず問題ないでしょう。

山小屋でのルール

山小屋はペンションや民宿とは置かれている状況がまったく違います。
電気も水道もすべて自前でまかない、食料も人力やヘリコプターで担ぎます。 また、限られた場所であるため基本的に客を断ることは有りません。他に建築物のないところですから、今日はもう満員だよと言われても他に泊まるところなどないのです。ですから営業している限りはお願いすれば泊めてくれるはずです。 部屋はほとんどの場合相部屋です。隣には知らないおじさんが寝ています。
従って混雑時には知らないおばちゃんと布団を共有しなくてはならないという事態も発生するそうです。

そのような場所ですので、訳のわからないわがままを言うのは止めましょう。 下界のホテルとはサービス内容が違うのです。なかば公共の場所のようなものなので基本的なルールとして、

他の宿泊者・小屋番の迷惑にならないようにする

そのことさえ頭にいれておけば、とてもステキなところです。小屋番からは他では聞けないような話が聴けるかもしれません。隣のおじさんはお酒をおごってくれるかもしれません。何しろ、テントを張る苦労をせずに山の一夜の空気を味わえるのです。 山小屋というのはそれ自体とても魅力的なところです。

知らない人と布団を共有するのは私も嫌です。それを避けるにはゴールデンウィークやお盆を避ければ大丈夫でしょう。予約を取っておけば有利になることも多いです。
基本的には予約を取らずにいきなり「泊めてください」で問題ありません。(場所によっては予約が必要です)
しかし山小屋は常に営業しているとは限りません。 もともと泊まるつもりであるならば、営業の確認のためにも予約を取ったほうが賢明です。日時と人数と食事の有無を言えば大丈夫です。予約は取っておきましょう。コース状況なども確認しておくと良いです。

山で想定される危険なもの

くま

平気です。昼間に本州の一般登山道を歩いている限り、そうめったに襲われたと言う話は聞きません。不安な人はラジオをつけたり鈴をつけたりするようです。

夏場はそれなりに多いです。が、下界にもたくさんいるでしょう。まぁ所詮相手は虫けら。人間様の相手にはなりません。

滑落・落石

たまに死人が出ます。しかしそういうのは森林限界の上で多く、このページで紹介しているような山はその危険が少ない所です。怖いなと思う地形があったら気をつけて進む。この程度の心構えは持っておきましょう。

悪天・道迷い

これが一番危ないらしいです。そこらへんの里山でもこのために遭難する人もいるようです。 しかしこれは本人が気をつければ済む話だと思います。 基本は地図のチェック、迷ったら分かる所まで戻る、悪天時には無理をしない、といった所です。

他人

今のところ、山ヤに悪人はいないという伝説は最低ラインでは生きていのではないでしょうか。良く知りませんが。 大方信用できる場合が多いでしょう。

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