なぜ山小屋か

海との比較

星を見に行くと言って思いつくのは海か山だろう。 暗い、視界が広いと言うのが条件だからだ。 しかし現在、本当に真っ暗な海岸線というものはどこまで行けばあるだろうか。 海沿いには基本的に人が住んでいる。そしてたいてい道路が走っている。 道路があれば街灯がある場合が多い。かなりの田舎であるとしてもだ。(そういう政治をやってきたのだろう)

気候の面でも山の方が良い。湿度が少なく、写真を撮るのにも適している。 海の方が手軽に行けるなどのメリットがあるが、星を見に行くのならば山へ行く方が適している。

日本の状況

Earth at nightという有名なポスターがある。アメリカの軍事衛星を使って、世界中の夜の光を撮ったものだ。北朝鮮の暗さとか日本の無駄使いとか、まぁそういうことはおいといて、星を見るという観点からこのポスターを眺めてみよう。 日本付近の拡大図がこれだ。 星を見るにはなるべく暗い所で見るのが望ましい。と、あまり力説しなくてもこの写真を見れば僕の言いたい事が伝わると思う。

夜の日本 Earth at night
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車で行く事との比較

確かに車は便利だ。相当重い機材でもって行ける。車の中で眠ることもできる。夜でも行動できる。何より楽だ。

だが、この文章の対象は「免許を持っていない人」である。
実際に車で星を見に行くことを考えてみよう。まず、どこへ行けば良いか解らないのではないかと思う。海へ行くとなると前述の通りである。(見るだけならば外房のあたりに行くのも良いが)
山へ行けばよいかというと、道がわからない。地図で道を調べてもどこで見られるかが解らない。山道ならばどこでも良いかというとそうでもなく、視界が悪いところが多い。また道の真中で星を見つづけるわけにも行かない。

少し調べれば、定番の星見サイトというのが見つかる。例えば富士山五合目、日光戦場ヶ原、八ヶ岳など。いずれも都内から高速で数時間、ちょっとお父さんに気軽に頼めるところではない。また、特に関東からは意外と数が少ないこともわかる。標高を稼ぐことは星を見る上でとても有利になるが、そんな山の上に走っている道は少ない。「星が良く見えて安全で気軽に行けるところ」というものがあればこちらが教えてほしいくらいだ。

そこで山小屋

山小屋に泊まって星を見ることを誉めてみよう。

まずは星を見ることから。 山小屋というのは最も空に近い人工物である。空気は澄みわたり、空は青い。星も良く見える。車道や小屋以外の人工物は周囲に無いため、半径数kmにわたり、星の光りを邪魔するものはない。走り屋さんも来ない。車が無いのならば自分の足で登れば良い。同じ標高、同じ視界を得るならば、車で行く場合に比べて自分の足で登る方が選択肢は格段に増える。

安全面でも山小屋はお勧めできる。星を見ることが目的である以上、人里離れたところに一晩滞在することが必要である。そのことを最も簡単に可能にするのは山小屋に泊まることだと思う。山小屋は実質的に公共の施設のような性質を持っており、一人で泊まっても安心だ。(高校生のみで泊まるのも問題ないと思う。要確認)

山登りそのものの魅力もある。
とにかく山の上は綺麗ですよ。

ここまで述べたように、東京に住んでいる人が綺麗な星空を見るには、結構苦労をしなくてはならないのが現状です。その中でも山に登るという苦労を増やしてまで星を見に行くということをあえてお勧めします。
基本的に自分達の力だけでも見に行けるかと思います。お父さんに車で連れていってもらうよりも達成感や充実感が味わえるのではないでしょうか。
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