山へ登ってみよう。
一日の終わりを飾る鮮やかな大フィナーレの後には、無数の点光源で構成された芸術が姿をあらわす。
漆黒の空間、光の濃淡。
静けさと激しさ。
想像は広がる。
この空のむこうにも別の世界が広がっていることを知る。
大きなもの、小さなもの、遠いもの、長い時間を実感する。
きれいとかそういう言葉であらわすよりも、ただ圧倒されるしかない。
本当に寒いときはそれどころじゃないけどね。
星を見るのも良い条件というものがある。
山に登ることで全ての条件が満たされる。国内で街明かりがないのはやっぱり山の上だ。高度をあげることによって、空の青さが変わってくる。
今日は何か特別なものが見えるの?
出発前に聞かれることがある。
確かに今日の星ぞらも、一見何百年と続いてきた空と同じように見えるかもしれない。
だが、今日晴れたこと、月明かりが無いこと、そしてあなたが行けること。
これだけでもう十分特別なことだ。
空を見上げれば、昨日と同じように見える、だが絶対にこの瞬間にしか存在しない宇宙がそこにある。
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